蔵シック館について

蔵のあるまち「中町」

江戸時代より繁栄した松本城下町は、善光寺街道とそこから分岐する野麦、千国の両街道に沿って形作られました。当館の位置する中町は、その骨格となる善光寺街道筋の街として本町、東町とともに「親町三町」のひとつに数えられ、大店が軒を連ねていました。
中町は明治21年の大火によって町屋の大半を焼失しましたが、その教訓から耐火性の高い土壁造りの建物が相次いで建てられました。その結果、白黒の「なまこ壁」が独特の雰囲気を醸し出す街が生まれ、商家や町屋が密集して人通りの多い中町通りを形成していきました。今なお残る往時の景観を「蔵のあるまち」として活用し、民芸や工芸の店が軒を連ねる新しい街づくりが進められています。

明治の造り酒屋が、観光スポットのシンボルに

中町・蔵シック館は、中町に隣接する宮村町にあった造り酒屋「大禮酒造」の母屋・土蔵・離れの三棟を現地に移築し、平成8年10月に開館しました。母屋・土蔵は明治21年に建てられたといわれ、離れは大正12年に増築されました。その当時松本の城下町は、豊富な湧き水を生かした酒産業が盛んでした。
母屋の間取りは間口から見ると左より土間・板の間・座敷の三つに分けられます。移築にあたり一部の間取りや材料等を変えて、貸し館として文化と憩いの場となり、現代に甦りました。土間の一部の吹き抜けの豪快な梁組や座敷などは昔のままに復元されています。移築再生した建物は、公募によって「中町・蔵シック館」と愛称が付けられ、松本城下町の観光スポット「中町」のシンボルとなっています。

3つの館と、広場

当館は中庭を囲む三つの館と、ポンプ式井戸のある広場で構成されています。中町の通りに面した土蔵は「茶房」として喫茶店に活用されています。母屋の土間・座敷は、貸し館として様々な展示会やイベントにご利用頂けます。離れの50人収容可能な広いスペースはコンサート会場として、少人数に適したお部屋は会議やお教室にお使いいただけます。町なかにありながら、落ち着いた蔵の空間を生かし、様々な用途にご利用いただいています。
広場では、5月〜12月の毎週水曜に夕市が開かれ、季節の野菜や花を求める地元住民で賑わいます。

喫茶「茶房」 レンタルスペース

蔵の井戸

松本は、地下水が豊富な地域で、今も市街地中心部にはたくさんの井戸があります。当館にある「蔵の井戸」もその1つです。深さは25m、水温は年間通して15℃です。手漕ぎポンプは自由に使っていただけます。
井戸の水は、水質検査をして飲用に適していますが、生水ですので体質・体調を考慮されてお飲み下さい。

杉玉

スギの葉を集めて球形にしたもので、造り酒屋では新酒が出来たことを知らせる印として、軒先に緑の杉玉を吊します。青々した杉の葉もやがて茶色に変化し、これによって新酒の熟成の具合を伝えています。元々はお酒の神様に感謝を捧げるものであったといわれています。当館の前身は造り酒屋でしたので、当時が偲ばれるよう今も皆様にご覧いただいています。

館の歳時記

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季節ごと、街のお祭りなどの拠点にもなっています。
1月 松本あめ市
5月 蔵フトセレクション
7月 天神祭(広場に各町の山車が並ぶ)
8月 セイジオザワフェスティバルスクリーンコンサート(広場)
11月 市民祭

蔵の夕べ(蔵シック館主催ライブ)

周辺案内

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当館のある中町通りは、人気の観光スポットです。民芸・工芸のお店や松本のグルメを楽しむ方で賑わっています。北側には「女鳥羽川」が流れ、川向こうには懐かしい趣の歩行者天国の通り「なわて通り」、パワースポットとして知られる「四柱神社」、徒歩8分に「松本城」などがあります。「松本市民芸術館」には徒歩8分、「松本市美術館」は徒歩10分です。

交通アクセス

運営組織

中町・蔵シック館(正式名称「中町蔵の会館」)は、松本市の委託を受け、「中町(蔵のある)まちづくり推進協議会」が指定管理者として運営しています。